11 Jan 2023
自動運転ソフトウエアを開発するOxbotica(現OXA)との資本業務提携
MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険は、オックスフォード大学発スタートアップ企業で自動運転システムの開発を手掛けるOxbotica(現Oxa)と 12 月に資本業務提携をしましたので、お知らせします。
背景
自動車関連業界は 100 年に一度とも言われる大変革の時代を迎えており、様々な技術の進化と導入が急速に進められています。中でも自動運転技術は、交通事故の削減のみならず、高齢化・過疎化の進む地域における移動課題や人口減少による運行担い手不足といった社会課題解決が期待され、世界各国で特定条件下において無人自動運転が可能になる「レベル 4」の実用化に向け、研究・開発が進められています。
当社では、自動運転社会の到来を見据えて 2016 年より群馬大学と共同研究を開始し、レベル 3 以上の自動運転モードで走行中の運転分保険料を無料化する保険の開発や、国内外の自動運転関連企業と共に実証実験に参画するなど、様々なパートナーと自動運転技術に関する研究・協業を進めてきました。
Oxbotica は世界の様々な産業における自動運転プラットフォーマーになること(ユニバーサルオートノミー)を目指し、あらゆるモビリティに対応可能な自動運転システムを開発しています。2022 年 5 月には欧州の公道で初となる無人自動運転の実証実験を実施する等、非常に高い技術水準を有しています。当社と Oxbotica は 2022 年 5 月に MOU を締結し、上記の無人運転実証実験に対し当社の 100%子会社である欧州あいおいニッセイ同和が無人自動運転車向け専用保険の提供を行う等の協業を進めてきましたが、今般、資本業務提携による更なる協業体制の強化に合意しました。
Oxboticaのビジョン
Oxboticaは、あらゆるモビリティに対応する自律走行システムを開発し、さまざまな業界を横断するユニバーサルな自律走行プラットフォーマーを目指しています。2022年5月、同社は欧州初の無人自律走行デモンストレーションを実施し、その高い技術水準を披露しました。あいおいニッセイ同和損保と同社は、2022年5月の覚書に続き、欧州あいおいニッセイ同和を通じて、無人自律走行車専用保険の提供で協業し、今回の資本・業務提携によりパートナーシップをさらに強化した。
Oxboticaのシステムの特徴と詳細
Oxbotica Driver:様々な分野(鉱山、工場、空港、道路など)、地域(ヨーロッパ、北米、オーストラリアなど)、天候(雨、霧、雪など)で使用される様々な車両(シャトルバス、配送車、採掘車など)に搭載可能なソフトウェア。GPSや高精度3D地図データに依存しない自律走行が可能。
Oxbotica Cloud:クラウドベースの管理システムで、車両追跡や車両状態のリアルタイム監視が可能。単独での利用はもちろん、他システムとの接続も可能で、様々な地域や分野での運転経験から学習し、機能性を高めている。
Oxbotica Meta Driver:AIを活用した先進的な3Dシミュレーションソフトで、合成画像に時間帯や天候などを変化させることで、様々な運転シーンを再現することができる。実車テストでは再現が困難なシナリオを含む数多くの仮想シミュレーションを行うことで、自律走行の安全かつ効率的な導入を促進し、運転学習プロセスを効率化する。
今後の展開
当社は、Oxboticaのグローバル戦略に合わせ、該社独自の自動運転システムを活用しながら、完全自動運転の特徴を踏まえた保険のあり方を検討していきます。検討にあたっては、2015年に当社が欧州あいおいニッセイ同和を通じて買収した英国テレマティクス自動車保険大手のInsureTheBoxや世界各地で培ったテレマティクスのノウハウも活用し、高度なデータサイエンスを駆使した無人自動運転車向けの商品・サービス開発を、Oxboticaに出資する他の戦略的株主との論議の場も設けながら進めていきます。
また、最先端のAIを有する当社の研究開発拠点(AIOI R&D LAB-OXFORD 11月15日設立)と連携し本取組の加速と深化を図り、「CSV×DX(シーエスブイバイディーエックス)」に基づく商品・サービス開発を進め、自動運転車の普及促進と安全・安心なモビリティ社会の実現にグローバルに貢献していきます。
あいおいニッセイ同和損保のプレスリリースはこちら