詐欺・不正検知
詐欺・不正検知とそのランキング、隠れたパターンの発見
概要
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2023年、修理工場を持つ中古車販売店による不正な自動車保険請求が発覚し、保険会社では損害調査体制の更なる強化が急務となった。かかる状況下、あいおいニッセイ同和損保は迅速に、AIOI R&D LAB-OXFORD、およびオックスフォード大学のAIベンチャーであるマインド・ファウンドリと協働し、あいおいニッセイ同和損保が持つ420万件の過去の請求データ等を使い、修理工場ごとの詐欺疑惑をスコアリングする公正で透明性のあるAIモデルを3カ月という短期間に設計・開発・実装。現在、あいおいニッセイ同和損保にて、高スコアとなった修理工場について、過去の協定内容の再点検を行い、立会調査基準の強化等を推進中。本アプローチは広く、詐欺・不正の撲滅に向けた取り組みに応用出来る可能性がありノウハウの転用を検討している。
詳細
背景
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2023年、修理工場を併設する大手中古車販売会社による不適切な自動車保険金請求などが明らかになり、損害保険会社として、より一層の損害調査体制強化が急務となった。
仮説
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あいおいニッセイ同和損保は膨大な事故、見積、不正請求疑義のデジタルデータを有する。AIOI R&D LAB-OXFORDは高速にAI開発する体制を構築済み。マインド・ファウンドリは過去、欧州あいおいニッセイ同和と保険金請求詐欺検知モデルを開発しており、この分野のノウハウを蓄積。
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従って、3者が総力を挙げて臨めば、短期に公正で透明性のある、効果的なソリューションを開発出来る。
研究開発
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過去の420万件の修理見積データ、不正請求疑義データなどから修理工場ごとの不正疑義スコアを算定し、その根拠を定量的に示すモデルを開発。
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あいおいニッセイ同和損保の損害調査担当部署、AIOI R&D LAB-OXFORD、マインド・ファウンドリが密に連携し、判断のプロセスが信頼でき、効果的なモデルになるよう注意深くAIを設計。
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モデルの設計から、データ準備、モデル開発、アプリケーション開発、実装まで、3カ月で実施。
次のステップ
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現在、高スコアとなった修理工場について、過去の協定内容の再点検を行っており、新たに判明した不正請求データも取り込むことでモデルの精度向上を目指している。そして、本AIを調査方法の決定プロセスに組み込み、より効率的かつ効果的な損害調査体制を構築する。
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今後は、車両特性や修理方法の変化だけでなく新たな詐欺手法にも適応するため、本システムの AI に最新の修理・不正請求データを都度学習させ、継続的にアルゴリズムをアップデイトしていく。
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本ソリューションのコンセプトは自動車の不正修理費請求以外にも応用できる可能性があり、世の中の不正・詐偽撲滅に向け検討していく。