デジタル・ツイン
強靭でエコな街づくりの為に
複雑な現実世界をシミュレート
概要
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都市環境のシミュレーション(デジタルツイン)は、自治体の都市開発に関する意思決定を支援するため多く開発されている。意思決定空間(都市計画者が選択的に都市デザインを変更する空間)は、すべての可能な開発行動をシミュレートする(すなわち、網羅的に検索する)には大きすぎる。有望な方法は、この問題を多目的最適化として扱い、それを解決するアルゴリズムを設計すること。
詳細
背景
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都市計画におけるデジタルツインの使用への関心が高まっている。
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デジタルツインでは、都市構成を記述するための「文法」を定義する必要がある。そして、都市構成を考慮に入れて、可変の時間軸に対する指標値(例えば、大気汚染レベルや緑地へのアクセス性)の予測を提供する。
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都市プランナーは指標間のトレードオフを勘案し、都市開発についての意思決定を行う。
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大手保険会社である、あいおいニッセイ同和損保は、都市人口に対するリスクを軽減することにインセンティブを持っている。このリスクはしばしば保険業界でカバーされるものなので、我々は都市プランナーに良いツールを提供し、都市をより安全で効率的にすることに関心がある。
仮説
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都市計画のための最適化に関する既存の文献では、検索空間を都市エリアを手動でセルに分け、事前に指定されたカテゴリのセットからラベルを付けることで定義している。
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本プロジェクトでは、最近提案された「空間シグネチャ」フレームワークを代わりに使用する。これは、衛星画像(その他のデータソースを含む)から空間単位を指定するためのデータ駆動型(および理論に基づいた)アプローチを取る。このフレームワークにおける空間単位の粒度を調整できることは、最適化問題を扱いやすくするために必要であり、主要な利点でもある。
研究開発
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空間シグネチャで定義された検索空間を使用し、土地利用のデジタルツインで予測されるウェルビーイング(幸福度)指標を対象とする多目的最適化アルゴリズムを開発する。
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このアルゴリズムの概念実証の実装を行う。
次のステップ
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このプロジェクトは現在、概念実証の段階にあり、今後、デジタルツインと多目的最適化アルゴリズムを日本のコンテクストに移行する予定。