老朽インフラ点検サポート
重要インフラの長寿命化に向けた点検支援ツール
概要
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日本では、インフラの老朽化が、労働力の縮小及び自治体の財政難と合わさり、社会問題となっている。国土交通省の試算では、今後30年間で約195兆円の保守費用が必要になるとされ、老朽インフラを効率的・効果的に管理し、コストを抑えインフラ寿命を伸ばすことが求められている。あいおいニッセイ同和損保は、約500の自治体と包括連携協定を締結し、防災・減災や地域・暮らしの安全・安心に関する取組みを推進中。本プロジェクトで、AIOI R&D LAB-OXFORDは、英国で橋梁管理AIの開発実績があるマインド・ファウンドリ、包括連携協定先の静岡県裾野市と協力し、橋梁の点検サポートツールを開発中。
詳細
背景
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日本で高度成長期に建設された橋やトンネルなどの重要社会インフラの多くが寿命を迎える時期に差し掛かっている。国土交通省は、今後30年間で、約195兆円の維持管理費が必要となると試算しているのに対して、多くの自治体では維持管理に充てる財源の不足が深刻な状況。また、日本では高齢化が進展し、労働人口が減少している。
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あいおいニッセイ同和損保は、日本全国の約500の自治体と包括連携協定を結び、地方創生の実現に資する防災・減災や地域・暮らしの安全・安心に関する取り組みを行っている。
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AIOI R&D LAB-OXFORDの設立パートナーであるマインド・ファウンドリは英国で橋梁の健全性評価にかかるAI開発実績があり、同社の注力分野となっている。
仮説
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多くの自治体でインフラの維持管理においてAI活用は浸透しておらず、マインド・ファウンドリのAI技術とあいおいニッセイ同和のリスク管理能力・自治体ネットワークを組み合わせれば、インフラの維持管理を効率化するツールを開発し、日本全国に広め、重要インフラの長寿命化という社会課題に貢献できる。
研究開発
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包括連携協定先の裾野市と協議の結果、AIを活用した橋梁点検サポートツールの共同開発を開始。
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点検者の業務負荷の軽減、インフラ健全性判定の均質化を目的に、点検者が撮影した写真から、インフラの損傷検知、数値化、健全性区分(国土交通省の点検要領で定義されている4区分)の判定をAIで自動化するサポートツールを開発中。
次のステップ
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2024年7月から裾野市にてベータ版の実装を開始、年内に精緻化、2025年1月から全国展開。
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テレマティクスデータから得られる車両の振動データ等を活用し、 AI を高度化させる研究開発を検討中。
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橋梁以外のインフラ点検サポートツールの開発、付随するリスク管理サービスや保険の研究開発を進める。